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一人ひとりが 大切な人だ 名前を 呼んで 声をかける 今年の元旦は、特養に入所している50人の人々にお年玉を一人ひとりに手渡した。認知症でまったく分からない人もいる。しかし全員一人ひとり手渡した。そして、皆さんに新年の挨拶した。 「新しい年を迎えました。新しい年を迎えるとは、新しい命をいただくということです。しかも、無料です。なんというすばらしいことではないでしょうか。 命をいただいたわけですから、お礼をしなければなりません。ただということですから、何でお返しすればよいのでしょうか。 それは、いただいた命を大切にすることではないかと思います。大切にするには、まず、いただいたことに感謝することですね、ありがとうございますと言うことですね。 感謝して生きることですね、私たちは、皆さんが、この施設での生活が最も良かったと思えるようになるように努力したいと思います。 また、私たちは、皆さまに支えられています。私は、本当に皆さまに感動をいただいています。皆さんからいただく笑顔やありがとうという言葉に励まされています。私は、皆さまと日々共に過ごすことを、幸せに思っています。今年も、お互いに元気に明るく生きていきましょう。感謝して生きる、それこそが私たちに命が与えられたお礼と思います。」と、呼びかけた。 私は、週に4日勤務であるが、勤務日は朝7時20分に施設に着いている。そして朝食中の利用者の方々に「おはようございます」と皆さんに名前で声をかける。時には、そばに座り込んで話をする。いままで声を出さなかった人が、小さい声で「おはよう」と答えてくれる。手をあげて合図をしてくれる人もいる。にこにこと笑ってくれる人がいる。「お世話になります」と頭を下げる人がいる。毎朝、皆さんに声をかけることは、「皆さんは大切な人です」という私のメッセージである。言葉で語るのでなく、行動で語ることが大切と思っている。 この施設に勤務した最初の日のことは忘れられない。朝食中の皆さんに「おはようございます」と、声をかけたが、全く反応はなかった。冷たい空気が流れていた。誰も私の顔を見る者もいなかった。しかし、6ヶ月たった今は、まったく違う。空気が違ってきた。 先日、入院しているKさんの見舞いに病院に行った。年末に見舞いに言ったときは、話ができない状態であったが、今回は話ができるまでに回復していた。彼女は涙を流しながら話してくれた。「毎朝声をかけてくれてありがとうございます。もう一度ホームに帰りたい」と。私は、「きっと帰れます。待っています」と言った。毎朝の私が皆さんに呼びかけている声は皆さんの心にとどいていたのだと、私も思わず涙がでた。一人の人の命を大切にする、それは理屈ではなく、誠心誠意の行動であると確信した。早朝の声かけは、いつまでも続けたいと思っている。 |
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